映画「かぞくわり」
映画「かぞくわり」 企画概要
高度経済成長期を終えた時代、核家族の思い描く極楽浄土はどこなのか。
郊外の住宅街に住む人々の高齢化にともない、地域 の人口減少・空き家増加・家そのものの建築のずさんさなど住宅にまつわる地域の課題は全国的に社会問題となっています。
住宅に対する問題は住宅ローンに始まりますが、それは古代ギリシャの時代から存在しているのです。奈良は大阪へのアクセスの良さと利便性の高さから、マイホームを求めた多くの家族が都市部から移住し、早くからベッドタウンとして発展してきました。
その傍らでは當麻寺にある極楽浄土を描いた曼荼羅など1000年以上にわたって形を残しているものが存在しています。
古いものと現代をセリフなしの映像美で表現することができる場所が奈良県 葛城地域の二上山です。
そんな場所にほど近いベッドタウンに住み続けてきたひとつの家族を焦点に、地域のあり方や家族の役割という普遍的なテーマをもとに、実際の住宅街で起こりうるさまざまな出来事を集約し、コメディータッチで描いていきます。
二上山を中心に葛城・大和高田・香芝・御所・ 広陵・王寺・河合・上牧が舞台!!
奈良から全国に発信する作品として完成を目指します。
<受け継がれる伝説を現代の視点で継承>
本作品は折口信夫氏の原作「死者の書」の舞台でもある地域でつくられます。
「死者の書」はアニメーション作家故川本喜八郎監督 (「NHK 人形劇三国志」など )が映画化したことでも知られています。
その作品に登場する歴史的人物の生まれ変わりの存在など、「死者の書」を現代に置き換えてオマージュする構成となります。
また、奈良時代に描かれた“曼荼羅”や“伝説”を散りばめます。
奈良だからこそ出せる映像美とストーリーをしっかり捉える構成の作品になります。
【脚本・監督】 塩崎祥平
奈良県大和郡山市出身。高校を卒業後、渡米。カリフォルニア・サンノゼ州立大学にて映画 制作とメディアを学び、6年間を米国で過ごす。2004年に帰国し百米映画社入社。同社製作映画のスタッフとして携わる一方、外国人キャストを起用した映画「明日への遺言」「私は貝になりたい」「サイドウェイズ」「レオニー」などで演出助手、通訳として参加。2007年3月、初監督短編作品「おとうさんのたばこ」を発表。2009年、ハリウッド、エジプシャンシアターで開催された「Pictures Battle × how Biz Japan」でグランプリを受賞した。その後、地方における映画製作に注目し、2011年春に新潟県佐渡島で映画「佐渡テンペスト」を企画プロデュース。2012年、出身地である大和郡山市で伝統産業の金魚を題材にしたファンタジー映画「茜色の約束」を長編初監督する。
【主な作品】<監督作品>
2007年 短編「おとうさんのたばこ」(出演:山崎一)
2012年 映画「茜色の約束」(出演:中村獅童 笹野高史、三倉佳奈、大出菜々子)
2016年 短編「にっちもさっちも」(出演:今出舞 石井由多加)
<プロデュース作品>
2007年 映画「MEGUMI」北朝鮮拉致ドキュメンタリーラインプロデューサー (オランダ)ミリアム・バンベーレン監督
2008年 映画「宮城野」アシスタントプロデューサー (出演:片岡愛之助 樹木希林 國村準)
2012年 映画「佐渡テンペスト」プロデューサー(出演:江口のりこ、本田博太郎、田中要次)ジョン・ウィリアムズ監督
2013年 映像現代アート作品「段ボールの壁」プロデューサー (オランダ・あいちトリエンナーレ出品)アーノウト・ミック監督
<演出助手・通訳>
2005年 映画「スターフィッシュホテル」演出助手(出演:佐藤浩市 木村多江 柄本明)ジョン・ウィリアムズ監督
2007年 映画「明日への遺言」演出通訳 (出演:藤田まこと 富司純子)小泉 堯史監督
2008年 映画「私は貝になりたい」演出通訳 (出演:中居正広 仲間由紀恵)福澤克雄監督
2009年 映画「サイドウェイズ」演出助手(出演:小日向文世 鈴木京香 生瀬勝久 菊地凛子)チェリングラック監督
2010年 映画「レオニー」演出通訳